【=は流派、花街によって異なる部分】 紅葉の名所として名高い京都三尾の一角である高雄に「もみぢ家」という料理旅館があります。清流清滝川河畔に位置し、専用の吊り橋、座敷、床が有り、上七軒の舞妓による舞台も催され、この歌の情景を想い起させるのに申し分ないロケーションです。 ① 川の瀬音が高いため、垣根越しに伝言を耳打ちする話し手と聞き手(仲居の女性たち)の袖が垣根の上で一つに重なる様を、鵲が架橋 の 為に翼を重ねる様に見立てています。吊り橋は橋脚がなくこの情景にぴったりです。 ② 気付けば降る雪が橋の霜を白布を掛けたように段々と深く覆い、 ③ 舞台(座敷)で舞う芸舞妓の手の振りは、まるで宙に舞う雪を操っているかのようだと表現しています。 この短い歌の中に絶妙な掛詞と、これだけ見事な情景描写が盛り込まれています。特に③が秀逸で、これがなければこの演目の魅力は半減していたことでしょう。素晴らしい感性、表現だと思います。 大阪府枚方市に「天野川」、「かささぎ橋」が実在しますが、私は出自、由来等この歌との関係を浅薄にして知りません。 同じ祇園東の「つね桃」さんの舞も見事で、つい見入ってしまいます。『もみじの橋 祇園東 つね桃さん』で検索の上、是非ご視聴をお薦めします。歌はつね和さんで、もう少しリズミカルな感じです。
この「もみじの橋」は、小倉百人一首第六番 中納言大伴家持の歌
「かささぎの 渡せる橋におく霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける」に掛けていて、
年に一度の牽牛と織女の逢瀬の為に、鵲(かささぎ)が天の川に翼を連ねて架けると言われる「かささぎの橋」に由来しています。
情景の描写は三場面です。
1. もみじの橋の たもとから (橋のたもと➡着物のたもと→袖)
袖を垣根の 言伝に (垣根=重ね)
ちょっと耳をば かささぎの (貸ささぎ➡鵲)
2. 霜もいつしか 白々と (白々と=白妙の)
積るほどなお 深くなる (深くなる=深草の)
3. 雪を巡らす 舞の手や
ヨイヨイヨイヨイ ヨイヤサー
【=は流派、花街によって異なる部分】
紅葉の名所として名高い京都三尾の一角である高雄に「もみぢ家」という料理旅館があります。清流清滝川河畔に位置し、専用の吊り橋、座敷、床が有り、上七軒の舞妓による舞台も催され、この歌の情景を想い起させるのに申し分ないロケーションです。
① 川の瀬音が高いため、垣根越しに伝言を耳打ちする話し手と聞き手(仲居の女性たち)の袖が垣根の上で一つに重なる様を、鵲が架橋
の 為に翼を重ねる様に見立てています。吊り橋は橋脚がなくこの情景にぴったりです。
② 気付けば降る雪が橋の霜を白布を掛けたように段々と深く覆い、
③ 舞台(座敷)で舞う芸舞妓の手の振りは、まるで宙に舞う雪を操っているかのようだと表現しています。
この短い歌の中に絶妙な掛詞と、これだけ見事な情景描写が盛り込まれています。特に③が秀逸で、これがなければこの演目の魅力は半減していたことでしょう。素晴らしい感性、表現だと思います。
大阪府枚方市に「天野川」、「かささぎ橋」が実在しますが、私は出自、由来等この歌との関係を浅薄にして知りません。
同じ祇園東の「つね桃」さんの舞も見事で、つい見入ってしまいます。『もみじの橋 祇園東 つね桃さん』で検索の上、是非ご視聴をお薦めします。歌はつね和さんで、もう少しリズミカルな感じです。
@@bretonmarie9430様、丁寧なコメントありがとうございます♪今後、更なるご教示を、お願い申し上げます。
なお、つね桃さんのアーカイブは、既に拝見しております。
花街の芸能の、彌榮を念じております。南無